徹底分析!オンプレミス型 vsクラウド型の医療システムの比較調査

クラウドコンピューティングの図

近年のテクノロジーの進化に伴いシステムのデータ管理方法に様々な選択肢が生まれてきています。その手段の1つとして、自社のサーバーでデータを管理せずクラウドコンピューティングという方法でデータを管理する方法があります。

一方で従来から利用されてきた、自院で用意したサーバーでアプリケーションやデータを管理する方法はオンプレミス型システムや導入型システムと呼ばれています。

当記事では、クリニック向けシステム導入におけるオンプレミス型とクラウド型の違いを明らかにし、そのメリット・デメリットを比較評価します。

クラウドコンピューティングとは


クラウドコンピューティングとは、インターネット 経由で配信されたコンピューティング サービス (ソフトウェア、サーバー、データベースなど) を活用することを意味します。 クラウド(雲)という名称が使われている理由の一つは、コンピューター技術者たちが図上でネットワークを示す際に雲の絵を使っていたからだと言われています。

 

クラウドコンピューティングの最大の懸念点

クラウドコンピューティングにおいて、システムに蓄積されたデータの所有権について議論が発生することが多くあります。クラウド上に管理された患者さんデータの持ち主は誰でしょうか?サーバーを管理しているクラウドベンダーがそのデータを管理する権利を有するのでしょうか?

また、インターネット上でデータを管理することにセキュリティーの不安を感じる方もいます。クラウドベンダーはいつでも利用者のデータにアクセスすることが可能です。多くのクラウドベンダーは法律や第三者からの要望によってはデータを開示するという利用規約を定めています。状況に応じて外部者からデータにアクセスされる事が前提であることを認識する必要があります。

蓄積されたデータの扱い方に関しては、クラウドコンピューティングに対してはまだ議論の余地があると言えます。

オンプレミス型システムとは


一方で、オンプレミス型システムは自院のサーバーやパソコンにソフトウェアをインストールして動作するシステムです。

ソフトウェア利用にあたっては、ライセンスやソフトウェアそのものを購入する必要があります。多くのソフトウェアはライセンス利用許諾を受けて利用しますが、蓄積されたデータは自院で用意するデータベースで管理することができます。

オンプレミス型システムは、各クリニックが自前でサーバーやハードウェアを調達し、場合によっては自院の他のシステムとの接続を行う作業が発生します。これらの活動は、クラウド型システムを利用する場合と比較して多くのコストを必要とします。

 

オンプレミス型vsクラウド型。どの方法を利用すべきか?


クリニックの業務を管理するシステムを導入しようとする場合、システムに蓄積されるデータをどのように管理すべきかを決めることは困難な課題です。事実、どちらの仕組みも何かしらの優位性があり、機能、コスト、セキュリティーなどが評価軸として議論されることが多いです。どちらかが完璧であるということではなく、いずれもメリットとデメリットがあることを理解したうえで、自院の要望に合う仕組みを採用しましょう。

クラウド型システムの発展により、今までにあまり考えられていなかったテーマが論点になっています。それは、データの管理において誰を信頼するかということです。クラウドコンピューティングという画期的な仕組みはセキュリティー管理においては悩みの種になるとも言えます。セキュリティー管理については具体的なケースを想定して考えてみましょう。

 

オンプレミス型とクラウド型のセキュリティー比較


クラウド型システムの最大の懸念はセキュリティー管理であると言われています。オンプレミス型は、自院でデータをコントロールでき、データを管理するサーバーを自院で用意すればデータにアクセスできる人を制限することができます。

しかし、オンプレミス型システムのセキュリティー管理について1つ注意したい点があります。民間企業における情報漏えいの多くの原因は自社社員が悪意を持ち意図的に漏えいしていると言われています。もし、このような内部によるセキュリティー管理不備が発生するような時は、長い期間発見されることなく情報漏えいが行われてしまうというリスクがあります。

クラウド型システムのサーバーの多くは複数場所に分散管理されており、その場所が外部に知り渡ることは滅多にありません。自院のスタッフが意図的にデータべースを操作し情報漏えいをするというのが難しい仕組みになっています。

医療システムを安定稼働させる場合に適する方法は?


オンプレミス型システムでは自院でデータセンターを用意し、不正なデータの混合やアクセス集中によりシステムが止まらないよう監視する必要があります。24時間止まらないシステムにするための管理体制を構築するにはコストが必要で、技術に長けたエンジニアが運用しなければシステム停止後の復旧にも時間がかかってしまうかもしれません。

多くのクラウド型システムを提供するベンダーはシステムダウンが発生する頻度は極めて少ないと言い、万が一にシステムダウンした時でも迅速にシステムを復旧できると謳っています。

その他、クラウド型・オンプレミス型の比較事項

前述の通り、セキュリティー管理と稼働安定性が多くの医療システムユーザーが気にする事ですが、もちろん他にも比較検討すべき点があります。医療機関がシステム導入を検討する際によく議題にあがる5つの比較軸を紹介します。

 

システム所有コスト

オンプレミス型システムは、システムを導入するにあたり多くの投資コストを必要とします。ソフトウェアを動かす為のハードウェアやサーバーなどが必要となり、またシステム環境を整備するためにはシステム構築の経験を有するITエンジニアを登用しなければなりません。

システム構築が完了した後には、定期的にシステムメンテナンスをしたりアップデート対応のため人が関与する必要があります。クラウド型システムでは、システム導入の初期費用はオンプレミス型と比較してもかなり少額です。その理由は、オンプレミス型で必要となるハードウェアやサーバーの調達費や、システム設定で必要となる人材の人件費を必要としないからです。
クラウドコンピューティングは、インターネットにつながる環境さえ用意すればソフトウェアの利用を開始することができ、クラウド型システムの提供ベンダーが自院に代わりシステムメンテナンスやアップデートをしてくれます。また、クラウド型システムの多くはシステムを使った分だけ支払う料金形態で提供されているため、比較的に安価にシステムを利用することができます。

 

拡張の柔軟性

もし自院の医療経営が順調で自院のホームページへのアクセスが集中したり、急な医療スタッフの増員により自院の医療システムを使う人が増えた場合に、システムの処理負荷が高まりシステムにアクセスしづらくなるケースが想定されます。

クラウド型システムであれば低コストですぐにデータベースを拡張し、システムダウンを起こしたりシステムのパフォーマンスが悪化したりするのを防ぐことができます。オンプレミス型システムであれば、すぐにデータベースを拡張することは難しく対応に時間がかかってしまいます。

 

カスタマイズができること

オンプレミス型システムは自院の業務内容にあわせてシステムの作り込みをすることができ、より各クリニックの仕事のやり方にあわせたシステムを構築することができます。ボタンの位置や管理する患者さん情報の項目など、医療スタッフが慣れたレイアウトのシステムを作り込むことが可能です。

一方で、クラウド型システムは1つの製品を多数のユーザーに提供しており、多くの場合は作り込みができないようになっています。クラウド型システムの導入をする場合は、一定量は今までの医療業務のやり方を変更し、システムに自院の業務を合わせるという覚悟が必要です。

 

いつでもオンラインであること

クラウド型システムにおいて無視できない重要な点は、クラウドコンピューティング利用の大前提がインターネットに接続されていることで、システムを利用する為には高速で安定したインターネットに接続されていないといけないということです。クリニック内のネットワーク接続が悪く高速インターネットが使えない場合では、処理速度が遅くなり使い勝手が悪くなる欠点があります。裏を返せば、インターネットに接続できればどこでもクラウドアプリケーションを利用できるというメリットでもあります。

 

システムアップグレード

オンプレミス型システムの場合はシステムのアップグレードは、自身でコントロールすることができます。使い勝手に大きな変化が発生するバージョンアップは対応を見送るという判断も柔軟に行うことができます。
多くのクラウドアプリケーションは毎日、毎週、毎月アップグレードをしています。こういった変化は時にはシステムを使う医療スタッフに混沌を招く恐れがあります。今まで見慣れた画面が急にレイアウトが変更されて慣れるまで時間がかかるという事もあるかもしれません。

 

まとめ


世の中のトレンドとしてはクラウド型システムの普及が活性化しており、その導入のデメリットよりもメリットの方が上回っていると一般的には言われています。

クラウド型システムの提供ベンダーが経営不振等でサービスの提供が停止となった場合については考慮すべきです。もしそうなってしまったら自院の業務に大打撃となります。クラウド型システムを利用する際は、システムの機能や料金だけではなく、その提供ベンダーについても把握することをオススメします。

オンプレミス型かクラウド型かの議論は明確な解は出ていません。クラウド型システムが優勢であることは多くの人の意見ですが、その導入リスクについてはまだ事前に理解し納得すべき部分が多くあります。

システム導入に伴うセキュリティー管理については多くの医療経営者の悩みの種だと思います。優良なクラウドベンダーは自院でデータを管理するよりも安全にデータ管理をするでしょう。自前でデータを管理することでウイルス感染対策やハッカーへの対応がおろそかになり、むしろ危険を伴う可能性もあります。
自院に経験豊富なITの専門家が在籍していれば安全ですが、現状のクリニックの組織体制を考慮して、「誰にデータを管理させるのが安全か?」という観点で、外部のシステムベンダーのデータ管理を任せるクラウド型システムか、もしくは内部でデータ管理するオンプレミス型が良いかを考えてみるべきでしょう。

 

prodoctor 診察予約

Leave a Reply